Chinese medicine story
漢方薬のお話
漢方薬とは、生薬の組み合わせによって作られた薬です
現在日本で用いられている「漢方薬」は、長い歴史の中で生薬の種類、量、組み合わせなどが工夫されて、薬として確立されたものです。また、薬として確立されたものは、「処方」とも呼ばれます。中国から伝わった処方のなかで、江戸時代に使われたものが中心となっていますが、「乙字湯(おつじとう)」、「七物降下湯(しちもつこうかとう)」など、日本で独自に作られた処方もあります。漢方薬の原料を生薬と呼び、草や木、動物や鉱物など、自然にあるものです。
たとえば、「ショウガを食べると体が温まる」といわれますよね。このような、植物などに備わった力を一つひとつ確かめ、組み合わせてできていったのが漢方薬なのです。漢方の治療原則は、熱ければ冷まし、冷えていれば温める。足りないものは補い、多過ぎるものはとり除く。このようにして、体が本来もつバランスを整えていきます。
漢方薬の特徴
漢方薬は天然の生薬を使用し、ひとつの処方は原則として2種類以上の生薬で構成されていますので、多くの成分を含んでいます。そのために、ひとつの処方でいろいろな病状にも対応することができます。また、漢方薬は、病院において検査や画像診断をしても異常がないのに、自覚症状があるというような病気にも向いていると考えられています。原因の特定できない慢性の病気、体質がからんだ病気には漢方薬が向くことが多いとされます。慢性の疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症など)に漢方薬が効果を発揮することや、西洋医学の薬品だけでは取り除けない苦しみを漢方薬が解決するケースもあります。
漢方薬の飲み方
漢方薬は、生薬からエキスを抽出して、顆粒・細粒、錠剤に加工したエキス製剤などが多くなっていて、用途に応じて使い分けが可能です。
「漢方薬は長く飲まないと効果がない」と思われがちですが、2、3日の間や症状のある時だけ服用しても効果があるような、早く効く薬も多くあります。
また、漢方薬は1日2~3回服用しますが、1日1回でよい場合もあります。
漢方薬は必ず、専門知識を持っている医師や薬剤師の指示を守って、適切に服用するようにしましょう。
漢方薬に関するよくある質問
1.ほかの薬(西洋薬)を常に服用しています。併用しても大丈夫ですか?
2.水以外のものと一緒に飲んでも大丈夫ですか?
3.妊娠中や授乳中でも服用できますか?
4.病院などで処方してもらう漢方薬と、ドラッグストアなどで変える漢方薬の違いは何ですか?
5.漢方薬にも副作用はありますか?
6.薄毛や肥満など、病気以外に効く漢方薬はあり」ますか?
漢方医学って何?西洋医学とは何が違うの?
「漢方医学」は5~6世紀に伝来した中国医学が日本の風土や文化の中で、日本人の体質や生活に合うよう少しずつ進化・発展してきた、日本独自の伝統医学です。「漢方=漢方薬を飲むこと」とイメージしがちですが、決してそれだけではありません。
では、漢方医学と現代の西洋医学とは何が違うのでしょうか?
西洋医学では「病気そのもの」が治療のターゲットなのに対し、漢方医学では「病気を持つ人」を治療対象と考えます。
〇漢方医学=人それぞれの体質や心身の状態などに合わせ、自然治癒力を利用して治す
〇西洋医学=病気の原因となっている器官などに合わせ、ピンポイントで治す
西洋医学、漢方医学ともにそれぞれ得意分野がありますが、「体調が少し気になる」ときの予防策にもなるのが、漢方医学の強みなんです。
漢方薬の種類
漢方薬を自身の体や症状に合わせて使いたい人も少なくないはず。ここでは、漢方薬の種類とその効能について紹介していきます。今、自分が服用している漢方薬が何に効果があるのか知っておくのも良いかもしれません。
【適用】
健胃消化薬,止瀉整腸薬,瀉下薬,解熱鎮痛消炎薬,消炎排膿薬,尿路疾患用薬,止血薬,高血圧症用薬,精神神経用薬とみなされる処方に配合されている。
【適用】
かぜ薬,解熱鎮痛消炎薬とみなされる処方に配合されている。
【適用】
かぜ薬,解熱鎮痛消炎薬,鎮痛鎮痙薬,鎮咳去痰薬,健胃消化薬,止瀉整腸薬とみなされる処方に配合されている。
【適用】
かぜ薬,鎮痛鎮痙薬,解熱鎮痛消炎薬,動悸抑制薬,保健強壮薬,婦人薬,芳香性健胃薬とみなされる処方に高頻度で配合されている。
【適用】
消炎排膿薬,痔疾用薬,滋養強壮保健薬,精神神経用薬とみなされる処方等に配合されている。
【適用】
漢方処方用薬として,消炎排膿薬,皮膚疾患用薬,尿路疾患用薬,精神神経用薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている.外用することもある。
【適用】
漢方処方用薬である.滋養強壮保健薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。
【適用】
鎮痛鎮痙薬,婦人薬,冷え症用薬,かぜ薬,皮膚疾患用薬,消炎排膿薬とみなされる処方に配合されている。
【適用】
胃腸薬やかぜ薬に用いられる他,鎮嘔,鎮痛,止瀉などに用いられる漢方薬に高頻度で配合される。
【適用】
主として漢方処方用薬であり,婦人薬,冷え症用薬,皮膚疾患用薬,消炎排膿薬とみなされる処方に多く配合されている。
【適用】
主として漢方処方用薬である。健胃消化薬、止瀉整腸薬、利尿薬,鎮暈薬、滋養強壮保健薬、鎮痛薬とみなされる処方及びその他の処方に比較的高頻度で配合されている。
【適用】
緊張の緩和、強壮、鎮静、利尿、滋養、補血などで、筋肉の急な緊張による疼痛をやわらげ、神経過敏を静め、咳、腹痛などの痛みを緩和。
【適用】
利水、清熱の効能があり、浮腫(むくみ)、めまい、膀胱炎、排尿障害などに用いられる。
【適用】
貧血改善作用、末梢の微小循環の改善作用、記憶障害の改善作用、筋弛緩作用、血圧降下作用、末梢血管の拡張作用、血液凝固抑制作用等
【適用】
滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症等